おひとりさま・孤独

「一人が好き」なのか、孤独を我慢しているのか — その時間を選んだのは自分か

一人が好きなのか、孤独を我慢しているのかは、一人で過ごす時間の長さでは見分けられません。分かれ目は、その時間を自分で選んだかどうかにあります。内閣府の調査が「孤独」という言葉を使わずにたずねる3つの設問も含めて、自分で確かめる方法を紹介します。

江原 和比己(産業カウンセラー/かずな総合研究所代表)

更新 読了目安 7分

この記事の要点

  • 一人が好きなのか孤独を我慢しているのかは、一人で過ごす時間の長さでは見分けられない
  • 分かれ目は、その時間を自分で選んで過ごしたかどうかにある
  • 自分で選んで過ごした日は、満足感が高く、孤独感とストレスは低かった
  • 内閣府の調査は「孤独」という言葉を使わない3つの設問で孤独感を測っており、自分に聞き直す手がかりになる
  • どちらだったとしても、うまくいっている部分は変えなくてよく、変えたい部分は違うやり方を試せばいい

休日に誰とも会わずに過ごして、気楽だった。それなのに夜になって、ふと落ち着かなくなった。そんな覚えがあるなら、自分に聞いてみてほしいことがあります。

一人が好きでそうしている人も、本当は誰かといたいのを我慢している人も、一人で過ごしていることに変わりはありません。外から見れば同じですし、自分でも見分けがつかなくなります。

どちらがいいという話ではありません。ただ、どちらなのかで、次にやってみることが変わります。

一人でいる時間の長さでは、見分けられない

先に、当てにしないほうがいい目安を一つ挙げておきます。一人で過ごした時間の長さです。

一人で過ごす時間と日々の満足感を調べた2023年の研究では、一人で過ごした時間が長い日ほど、その日の孤独感が強く、満足感も低くなっていました。これだけ読むと、長さそのものが問題に見えます。

ところが、同じ研究にはもう一つの結果があります。その日を自分で選んで一人で過ごしていた人には、この結びつきがほとんど見られませんでした。見られても弱いものでした。翌日以降に持ち越されることもなく、ふだんから一人で過ごすことが多い人が、全体として孤独だったわけでもありません。

時間の長さだけを見ると

  • 一人で過ごした時間が長い日ほど、その日の孤独感が強い。
  • その日の満足感も低い。

自分で選んで過ごしていた人

  • この結びつきがほとんど見られない。見られても弱い。
  • 翌日以降に持ち越されることもない。

(Scientific Reports, 2023年)

同じ研究は、一人の時間と人と過ごす時間の割り振りについて、誰にでも当てはまる正解は見つからなかったとも述べています。一人の時間が多すぎるとか少なすぎるとか、そういう量の話では説明がつかなかったということです。

だから、今週誰と会ったかを数えても答えは出ません。見るところは長さではなく、その時間を過ごした理由のほうです。

分かれ目は、その時間を選んだ理由

この研究は、自分で選んだかどうかを、その日一人でいた理由をたずねて測っています。実際に使われた項目を訳したものが、下の4つです。

自分で選んだ側の理由

  • 自分にとって大切で、ためになる時間だと思うから。
  • ただ一人で過ごす時間が楽しいから。

選んだわけではない側の理由

  • 一人でいるように言われたから。
  • 一人で過ごさないと、自分のことを悪く思ってしまうから。

(Scientific Reports, 2023年)

自分で選んで一人の時間を過ごした日は、その日の満足感が高く、自分で決めたという手応えもあり、孤独感とストレスは低くなっていました。同じ一日を一人で過ごしても、理由が違えば結果も違っていたということです。

「一人で過ごさないと、自分のことを悪く思ってしまうから」に目を留めてください。誰かに命じられたわけではありません。それでも、自分で選んだ理由とは反対の側に置かれています。そうしないと自分を責めてしまうから一人になるのは、自分の意思で一人になるのとは別のことだからです。

昨日か今日、一人で過ごした時間を思い出してください。その理由は、上の4つのうちどちらの側に近かったでしょうか

「孤独」という言葉を使わずに、自分に聞く

もう一つ、国の調査が使っている聞き方を借りる手があります。

内閣府の「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」は、本人が感じている孤独をつかむのに、二通りの聞き方をしています。ひとつは「あなたはどの程度、孤独であると感じることがありますか」と正面からたずねる設問です。

もうひとつは、「孤独」という言葉をまったく使わない3つの設問です。この調査では間接質問と呼んでいます。カリフォルニア大学ロサンゼルス校のラッセルが考案した「UCLA孤独感尺度」の日本語版から、3項目に短くしたものが使われています。

  1. あなたは、自分には人とのつきあいがないと感じることがありますか。
  2. あなたは、自分は取り残されていると感じることがありますか。
  3. あなたは、自分は他の人たちから孤立していると感じることがありますか。

それぞれに「決してない」「ほとんどない」「時々ある」「常にある」で答え、順に1点、2点、3点、4点をつけます。3つ足すと3点から12点になります。

「孤独ですか」と正面から聞かれると答えづらくても、この3つになら答えられることがあります。自分は孤独だ、と認めなくても答えられるからです。

同じ3つを、令和7年の調査では全国の満16歳以上の11,873人が答えています。合計点の散らばりはこうなりました。

3つの設問の合計点の分布(回答者11,873人)

10〜12点 6.5%
7〜9点 38.2%
4〜6点 39.9%
3点 14.7%

(内閣府孤独・孤立対策推進室「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果のポイント」)

自分の点数がどのあたりに入るかを見てください。ただし、これは診断ではありません。今の自分の感じ方を確かめるのに、国の調査の質問を借りるだけです。

どちらだったとしても、次の一歩がある

一人で過ごした理由が「自分で選んだ側」に近かった方は、次の「自分で選んでいた」をお読みください。「選んだわけではない側」に近かった方は、その次の「我慢していた」へ進んでください。合計点が7点以上だった方は、どちらに近かったとしても、両方とも読んでみてください。

「自分で選んでいた」に心当たりがある場合

今のままでかまいません。うまくいっているものを、わざわざ変える必要はありません。

やることがあるとすれば、その時間を守ることです。忙しくて一人の時間を取れなかった週があったら、翌週にどこかで取る。足りているかどうかは、自分の実感でしか測れません。

「我慢していた」に心当たりがある場合

先に知っておいてほしいことがあります。内閣府の調査では、3つの設問の合計点が10〜12点、7〜9点だった人は、ほかの区分の人より、「相談しても無駄である(相談しても解決しない)」と答えた割合が高くなっています

相談したのに届かなかった。話しても分かってもらえなかった。そんな覚えがあるなら、同じ相手にもう一度持ちかける気になれないのは当然です。相談する気になれない自分を責めているなら、その気持ちにも、これまでの経験が関わっているのだと思います。

同じ調査には、もう一つ見ておきたい数字があります。気軽に話せる相手がいるかどうかで、孤独感の高さがずいぶん違っていました。

合計点が10〜12点だった人の割合(気軽に話せる相手の有無別)

いる 4.1%
いない 32.8%

(内閣府孤独・孤立対策推進室「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果の概要」)

上の4.1%は気軽に話せる相手が「いる」と答えた人の中での割合、32.8%は「いない」と答えた人の中での割合です。ただしこれは、連絡を取れば孤独感が下がることを確かめた数字ではありません。

そのうえで、今週やれることを一つ挙げます。しばらく連絡していない相手に、一言送ってみてください。勧める理由は、この数字ではありません。うまくいっていないなら、これまでと違うことを試す。原因を考え続けるより、そのほうが先に進めるからです。

送る相手は、家族でも、昔の友人でも、職場の同僚でもかまいません。用件はなくてかまいません。ただし、連絡が途切れた理由が、もめごとや、その相手からつらい思いをさせられたことなら、その相手は選ばないでください。

送る相手が思い当たらなくても、自分を責める必要はありません。話す相手は、親しい間柄の人だけではないからです。内閣府の調査でも、病院や診療所の医師を相談先に挙げる人がいます。かかりつけの医師がいるなら、診察のときに、最近ひとりで過ごす時間が増えていることや、眠りや食欲の変化を話してみてください。勤務先に相談できる窓口があるなら、そこを使う手もあります。

まとめ

この見分けは、一度やって終わりではありません。仕事の忙しさ、家族の状況、体調。同じ一人の時間でも、時期が違えば受け止め方も変わります。今日の答えを自分の性格として固めず、また来月、立ち止まって同じことを自分に聞いてみてください。

一人でいるのが好きなのか、それとも我慢しているのか。手がかりは、過ごした時間の長さではなく、その時間を自分で選んだかどうかのほうにあります。

「一人でいたい」という気持ちそのものにも、性質の違う2つがあります。そちらは内向的だから一人が好き、とは限らない — 「一人でいたい」と「人といたくない」の違いにまとめました。一人でいることをどう受け止めるかについては、「おひとりさまは寂しい」という捉え方との向き合い方も合わせて読んでみてください。

※ 出典: 内閣府孤独・孤立対策推進室「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果のポイント」および「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果の概要」、「Balance between solitude and socializing: everyday solitude time both benefits and harms well-being」(Scientific Reports, 2023年)。

江原 和比己(えはらかずひこ)—— 産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会認定)/日本ブリーフサイコセラピー学会 正会員/かずな総合研究所 代表。IT領域で約25年のキャリアを経て産業カウンセラーに転身。100kmウルトラマラソン完走者。

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