Briefing Note

復職者を受け入れる職場が疲弊する構造と50名未満企業の対応策

復職支援で受け入れ側が疲弊する3構造(業務負荷偏在・情報非対称性・管理職感情労働過多)を公的データと産業カウンセラーの実務知見で分析し、産業医未選任の50名未満企業が活用できる外部資源と対応策を提示する。

エグゼクティブサマリー

復職支援で受け入れる側が疲弊するのは個人の問題ではなく、業務負荷の偏在情報の非対称性管理職の感情労働過多という3つの構造的要因による。メンタルヘルス不調による休業・退職者がいた事業所は全体の12.8%、30〜49人規模でも10.9%に達する(厚生労働省, 2025a)。受け入れ側の疲弊を放置すれば二次的なメンタルヘルス不調や離職を招き、復職支援そのものが破綻する。50名未満の企業でも地域産業保健センター(無料)や産業保健総合支援センターを活用し、「善意」ではなく「仕組み」で対処することが可能である。


定義と現状認識

定義: 復職支援における職場疲弊とは、メンタルヘルス不調から復職する労働者を受け入れる過程で、業務的・心理的負荷が同僚・管理職・人事担当者に構造的に集中し、受け入れ側の心身の健康が損なわれる現象である。

職場復帰支援に関する情報の大半は「復職者本人をどう支えるか」に焦点を当てており、受け入れる側の負担を構造的に分析した知見は乏しい。厚生労働省の手引きは第5ステップ(フォローアップ)で「同僚や管理監督者に対して過度の負担がかからないよう配慮する」と明記しているが(厚生労働省, 2012)、具体的な方法論は十分に展開されていない。

以下の3構造が連鎖して職場全体の疲弊を引き起こす。

  1. 業務負荷の偏在 — 復職者の就業制限で軽減された業務が特定の同僚に集中する
  2. 情報の非対称性 — プライバシー保護により「何も知らされない」状態が不信感を生む
  3. 管理職の感情労働過多 — 復職者・同僚・上層部の間で調整役を一手に担い消耗する

受け入れ側の疲弊兆候チェックリスト

  • 復職者の業務軽減分を引き受け、慢性的に残業が増加している
  • 「なぜあの人だけ特別扱いなのか」という声が職場で聞かれる
  • 復職対応の悩みを管理職が誰にも相談できていない
  • 配慮期間の終了見通しが周囲に共有されていない
  • 受け入れ側へのフォロー体制(手当・評価・相談先)が未整備である

データとエビデンス

メンタルヘルス不調による休業・退職の実態

指標 数値 出典
休業または退職者がいた事業所割合 12.8%(R6)/ 13.5%(R5) (厚生労働省, 2025a)/(厚生労働省, 2024)
連続1か月以上休業者がいた事業所割合 10.2%(R6)/ 10.4%(R5) (厚生労働省, 2025a)/(厚生労働省, 2024)
退職者がいた事業所割合 6.2%(R6)/ 6.4%(R5) (厚生労働省, 2025a)/(厚生労働省, 2024)
連続1か月以上休業した労働者の割合 0.5%(R6)/ 0.6%(R5) (厚生労働省, 2025a)/(厚生労働省, 2024)
退職した労働者の割合 0.2%(R6・R5共通) (厚生労働省, 2025a)/(厚生労働省, 2024)

事業所規模別: 休業者がいた事業所割合

事業所規模 R6 R5 出典
1,000人以上 88.2% (厚生労働省, 2025a)
50〜99人 24.8% 22.9% (厚生労働省, 2025a/2024)
30〜49人 10.9% 10.5% (厚生労働省, 2025a/2024)
10〜29人 4.2% 5.1% (厚生労働省, 2025a/2024)

メンタルヘルス対策の取組状況

指標 全体 50人以上 30〜49人 10〜29人 出典
対策実施率(R6) 63.2% 94.3% 69.1% 55.3% (厚生労働省, 2025a)
対策実施率(R5) 63.8% 91.3% 71.8% 56.6% (厚生労働省, 2024)
ストレスチェック実施率(R6) 65.3% 89.8% 57.8% 58.1% (厚生労働省, 2025a)
産業保健取組率(R5) 87.1% (厚生労働省, 2024)

労働者のストレス状況

指標 数値 出典
強いストレスを感じる労働者の割合 68.3% (厚生労働省, 2025a)
ストレス内容1位: 仕事の量 43.2% (厚生労働省, 2025a)
ストレス内容2位: 仕事の失敗・責任の発生等 36.2% (厚生労働省, 2025a)
ストレス内容3位: 仕事の質 26.4% (厚生労働省, 2025a)
ストレス内容4位: 対人関係(セクハラ・パワハラ含む) 26.1% (厚生労働省, 2025a)
40〜49歳のストレス保有率 73.0% (厚生労働省, 2025a)

職場復帰支援の制度的枠組み

項目 内容 出典
基本フレームワーク 5ステップ構成(休業中ケア→主治医判断→復帰可否判断・プラン作成→最終決定→フォローアップ) (厚生労働省, 2012)
第5ステップの受入側配慮 「同僚や管理監督者に対して過度の負担がかからないよう配慮する」 (厚生労働省, 2012)
復帰の前提 「完全復帰でない状態としての受け入れ」 (JOHAS, n.d.)
主治医判断の範囲 日常生活の回復程度で判断。職場の業務遂行能力の回復とは限らない (厚生労働省, 2012)
元の職場復帰の原則 新環境への適応に時間と心理的負担を要するため、元の職場へ復帰させる (厚生労働省, 2012)
プログラムの周知 休業労働者のみならず全労働者から信頼されるよう周知する必要がある (JOHAS, n.d.)

就業上の配慮例と復帰判断基準

就業上の配慮例 復帰判断基準例
短時間勤務 十分な意欲がある
軽作業・定型業務への従事 一人で安全に通勤できる
残業・深夜業務の禁止 決まった勤務日・時間に就労を継続できる
出張制限 業務に必要な作業を遂行できる
交替勤務制限 疲労が翌日までに十分回復する
危険作業・運転・高所・窓口・苦情処理業務の制限 注意力・集中力が回復している
適切な睡眠覚醒リズムが整っている
昼間の眠気がない

(厚生労働省・中央労働災害防止協会, 2012)

プライバシー保護と情報共有の枠組み

項目 内容 出典
健康情報の位置づけ 個人情報の中でも特に機微な情報であり厳格に保護されるべき (厚生労働省, 2012)
職場での共有範囲 配慮すべき事項を中心に、必要最小限の病態・機能に関する情報 (厚生労働省・中央労働災害防止協会, 2012)
疾患名の共有 具体的な疾患名は必ずしも含まれない (厚生労働省・中央労働災害防止協会, 2012)
偏見・誤解の防止 心の健康問題については誤解や偏見等が起こりがちであるためその防止に努める (JOHAS, n.d.)

周囲への対応指針

項目 内容 出典
望ましい対応 自然な態度で迎える。「おはよう」「また一緒に働けてよかった」 (こころの耳, n.d.)
避けるべき対応 根掘り葉掘り状況を聞くこと (こころの耳, n.d.)
管理監督者の責務 同僚に対し勤務上の配慮事項を明確に伝える (こころの耳, n.d.)
うつ病治療の基本 薬物療法、精神療法、休養(心身を休めエネルギーを蓄える) (こころの耳, n.d.)

50名未満事業場の支援体制

項目 内容 出典
50名未満の復帰支援体制 衛生推進者・安全衛生推進者が窓口。地さんぽ等の外部資源を活用 (厚生労働省・中央労働災害防止協会, 2012)
地域産業保健センター(地さんぽ) 50人未満対象。メンタルヘルス相談・個別訪問指導を無料提供 (こころの耳, n.d.)
地さんぽの設置単位 労働基準監督署管轄区域ごと (こころの耳, n.d.)
地さんぽのサービス 長時間労働者面接指導相談、健康相談窓口、個別訪問指導、産業保健情報提供 (こころの耳, n.d.)
産業保健総合支援センター メンタルヘルス対策促進員が事業場を訪問、職場復帰支援プログラム策定を無料支援 (JOHAS, n.d.)
ストレスチェック全事業場義務化 令和7年法律第33号で成立。施行は2028年頃の見込み (厚生労働省, 2025b)

分析と含意

専門キーワード: 情緒的消耗感、脱人格化、感情労働、認知的不協和、心理的安全性、安全配慮義務、ラインケア、プレゼンティズム、二次的外傷性ストレス、学習性無力感

軸A: メカニズム分析 — 受け入れ側が疲弊する心理的・社会的構造

業務負荷偏在の連鎖

復職者への就業制限(短時間勤務、残業禁止、軽作業限定)は医学的に正当な配慮である(厚生労働省・中央労働災害防止協会, 2012)。しかし軽減された業務は消失しない。30〜49人規模の事業所では代替要員の確保が困難であるため、同じ部署の特定の同僚——業務スキルが高い者、あるいは断れない立場にある者——に負荷が集中する。

復帰判断が「日常生活における病状の回復程度」に基づいており(厚生労働省, 2012)、「完全復帰でない状態としての受け入れ」が前提である(JOHAS, n.d.)にもかかわらず、この前提が周囲に十分共有されていないケースが多い。「いつ元に戻るのか」が見えないことで不公平感が情緒的消耗感に転化し、受け入れ側自身のパフォーマンス低下を招く悪循環が生じる。

30名規模の企業で1人が半年休職した場合、残ったメンバーの業務量は単純計算で約3%増加するが、専門業務(設計、開発、営業等)は汎用化が難しく、実質的な負荷はそれをはるかに超える。この「見えない負荷」が問題の本質である。

情報非対称性が生む認知的不協和

健康情報は「個人情報の中でも特に機微な情報」であり(厚生労働省, 2012)、プライバシー保護は法的にも倫理的にも必須である。しかし「何も知らされない」状態が続くと、同僚は推測に基づいて状況を解釈し始める。心の健康問題に対する誤解や偏見が起こりやすいことはJOHASも指摘しており(JOHAS, n.d.)、情報の不在がこの傾向を助長する。

同僚の内面では認知的不協和が発生する。「配慮すべきだ」と理解しつつ「不公平だ」と感じる矛盾を、情報がないまま処理しなければならない。この矛盾を口に出せば「冷たい人間」と見なされるリスクがあるため、不満は潜在化し、心理的安全性が低下する。表面化しないからこそ組織は問題を認識できず、対処が遅れる。

通説では「プライバシーを守ればよい」とされるが、現場の実態はそれだけでは済まない。保護すべきは診断名や治療内容であり、「どのような業務配慮が必要か」「その期間はいつまでか」という業務情報は、むしろ共有しなければ不信感を生む。プライバシー保護と業務情報共有は両立可能であり、両立させなければならない。

管理職の感情労働が引き起こす消耗

管理職は復職者には傾聴を、同僚にはなだめを、上層部には楽観的な報告を——3つの方向に異なる感情を表出し続ける。この感情労働はプレイングマネージャーの日常業務に上乗せされ、残業時間にも業績指標にも表れない「見えない負荷」として蓄積する。

ラインケア——管理職が部下のメンタルヘルスに配慮する取り組み——は多くの企業で推進されている。しかしラインケアの担い手である管理職自身を誰がケアするのかという問いに対し、制度的な回答を持つ企業は少ない。管理職のストレス保有率が最も高い40〜49歳で73.0%に達しているデータ(厚生労働省, 2025a)は、この構造的問題を裏付けている。

頑張り続ける人ほど自分の痛みに鈍麻する。「管理職なんだから踏ん張るべき」という認識が、自身の情緒的消耗感への気づきを遅らせる。気づいたときにはすでに脱人格化の兆候が表れているケースを、EAPの現場では繰り返し目にしてきた。

軸B: 制度・環境分析 — 受け入れ側を取り巻く制度的課題

安全配慮義務の射程

安全配慮義務(労働契約法第5条)は復職者本人だけでなく、周囲の同僚にも及ぶ。復職者への配慮として同僚の残業が常態化し、その同僚がメンタルヘルス不調を来した場合、企業は安全配慮義務違反を問われる可能性がある。50名未満の企業は産業医が未選任であるため、このリスク自体の認識が低い傾向にある。

手引きの限界

厚生労働省の手引き(2012年改訂)は復職支援の標準フレームワークとして5ステップを提示し、第5ステップで受け入れ側への配慮を明記している(厚生労働省, 2012)。しかし具体的な方法論——業務分担の設計手法、管理職の負担軽減策、情報共有のスクリプト——は十分に展開されていない。50名未満の事業場については「地域産業保健センター等を活用」と示すにとどまり、具体的な活用手順の記載は限定的である。

ストレスチェック全事業場義務化の影響

令和7年法律第33号により、ストレスチェック制度は50名未満を含む全事業場に義務化された(厚生労働省, 2025b)。施行は2028年頃の見込みである。現時点で50人未満のストレスチェック実施率は57.8〜58.1%にとどまっており(厚生労働省, 2025a)、義務化に向けてメンタルヘルス対策の体制整備は急務である。復職支援の仕組みづくりは、この法改正への備えとしても意味を持つ。

軸C: 影響分析 — 受け入れ側の疲弊がもたらす帰結

個人への影響

受け入れ側の同僚・管理職に生じる最大のリスクは、二次的なメンタルヘルス不調である。強いストレスを感じる労働者は全体の68.3%に達し(厚生労働省, 2025a)、その主因である「仕事の量」(43.2%)は復職者の業務を引き受けることで直接的に増大する。「対人関係」(26.1%)も上位にあり、情報の非対称性に起因する不信感がこれに該当する。

組織への影響

受け入れ側の疲弊が放置されると、二次離職——支えていた同僚が先に退職する——が発生する。メンタルヘルス不調による退職者がいた事業所割合が6.2%に達しているデータ(厚生労働省, 2025a)は、メンタルヘルス不調が離職に直結する現実を示している。さらに周囲のフォローが途切れることは再休職リスクの増大に直結する。復職者本人の回復を支えるのは職場の日常的な関わりであり、それが失われれば復職支援の基盤自体が崩壊する。


推奨アクション

フェーズ1: 初期対応(復職決定〜復職日)

業務分担の設計

  • 復職者の段階的復帰に合わせた業務移行スケジュールを作成する(「1か月目50%→3か月目80%」等)
  • 負荷が集中する同僚を特定し、手当・評価での配慮を設計する
  • 「誰が・何を・いつまで」引き受けるかを文書化し、関係者全員に共有する

情報共有の設計

  • 本人と「周囲に何を伝え、何を伝えないか」を具体的に合意する
  • 共有する内容は業務上の配慮事項に限定し、診断名・治療内容は含めない
  • 伝え方のスクリプトを事前に用意する(例:「○○さんが復帰します。しばらくの間、業務量を段階的に戻す予定です。3か月を目処に通常体制に戻す計画です」)

フェーズ2: 継続対応(復職後1〜6か月)

管理職のケア体制

  • 復職対応の進捗を定例で報告するラインを設ける(「困ったら言って」ではなく仕組みとして)
  • 復職対応業務の一部を人事担当者・衛生推進者と分担する
  • 管理職自身が外部の相談窓口を利用できることを周知する

全体モニタリング

  • 受け入れ側の残業時間・体調変化を定期的に確認する
  • 配慮期間の終了見通しを随時更新し、周囲に共有する

立場別の分岐アクション

立場 最初の一歩
**経営者** 復職対応を現場任せにせず、地域産業保健センターまたは産業保健総合支援センターへ会社として相談する
**人事担当者** 1人で抱え込まず外部資源を活用し、「善意」ではなく「仕組み」で対応する体制を整える
**管理職** 自身の状態を上に伝える。定期的な報告ルートを確保し、負担を可視化する
**同僚** 自身のケアを後回しにしない。無理を感じたら上司や社外の相談窓口に声を上げる

相談時のフレーズ例

  • 経営者→地さんぽ: 「復職する社員がいるのですが、産業医がいないため進め方を相談したい」
  • 管理職→上司: 「復職対応に加えて通常業務もあり、一人では対応しきれなくなっています。サポート体制を相談させてください」

リソース案内

公的相談窓口

窓口 対象 費用 連絡先
**地域産業保健センター(地さんぽ)** 50人未満の事業場 無料 各労基署管轄区域に設置。事前申込制
**産業保健総合支援センター** 全事業場 無料 各都道府県に設置
**こころの耳電話相談** 働く人全般 無料 0120-565-455(平日17:00〜22:00、土日10:00〜16:00)
**よりそいホットライン** 全般 無料 0120-279-338(24時間対応)

活用すべき支援制度

  • 産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員: 事業場を訪問し、職場復帰支援プログラムの策定を無料で支援する(JOHAS, n.d.)
  • 顧問社労士: 復職支援プログラム作成の専門家として、既に顧問契約がある場合は復職対応の相談先として活用できる

結論

復職支援で受け入れる側が疲弊するのは、仕組みの不在が善意を消耗に変えるという構造的問題である。業務負荷の偏在、情報の非対称性、管理職の感情労働過多——この3つの構造は相互に連鎖し、どれか1つだけを手当てしても問題は解決しない。

支える側が倒れれば、復職支援そのものが破綻する。受け入れ側を守ることが、結果として復職者を守ることにつながる。50名未満の企業であっても、地域産業保健センターへの相談から始めることで仕組み化の第一歩を踏み出せる。

最初の一歩: 地域産業保健センター(地さんぽ)に電話し、復職支援の進め方を相談する。50名未満の事業場であれば無料で利用可能である。


よくある質問(FAQ)

Q. 復職者の病名を同僚に伝える必要はあるか?

伝える必要はない。厚生労働省の手引きは、職場で共有する情報を「配慮すべき事項を中心に必要最小限」とするよう求めている(厚生労働省, 2012)。伝えるべきは「どのような業務上の配慮が必要か」「その期間はいつまでか」という事実であり、診断名や治療内容は含まれない。

Q. 50名未満の企業で産業医がいない場合、復職支援は誰が進めるのか?

衛生推進者または安全衛生推進者が窓口となり、地域産業保健センター(地さんぽ)等の外部資源を活用して進める(厚生労働省・中央労働災害防止協会, 2012)。地さんぽはメンタルヘルス相談や個別訪問指導を無料で提供しており、復職支援の進め方も相談可能である。

Q. 復職者の業務を引き受けている同僚の負担が大きい場合、どうすればよいか?

業務移行スケジュールを作成し、「いつまでに・どの程度」負担が軽減されるかの見通しを共有することが第一歩である。手引きは第5ステップで「同僚への過度の負担がかからないよう配慮する」ことを明記しており(厚生労働省, 2012)、負荷集中の放置は安全配慮義務の観点からもリスクとなる。

Q. ストレスチェックの全事業場義務化はいつからか?

令和7年(2025年)5月に改正法が公布され、施行は2028年頃の見込みである(厚生労働省, 2025b)。現行制度では50人未満の事業場は努力義務だが、改正法により全事業場に義務化される。

Q. 管理職自身が復職対応で消耗している場合、どこに相談できるか?

地域産業保健センター(地さんぽ)は管理者向けの相談にも対応している。こころの耳電話相談(0120-565-455)は働く人全般を対象としており、管理職自身のストレスについても相談可能である。管理職が限界を認めることは弱さではなく、チームを守るために必要な判断である。


出典・参考文献

公的機関資料


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「止まってもいい。何度でも歩き出せば、その一歩が未来を変える。」——支える側も立ち止まっていい。限界を認めることもまた、チームを守るための一歩である。

執筆者プロフィール

江原和比己(えはら かずひこ)

産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会認定)。かずな総合研究所代表。約25年の会社員経験(IT企業でのエンジニア職)を経て2018年に独立。SFBT(解決志向ブリーフセラピー)を基盤とするブリーフコーチングで、働く人のメンタルヘルス支援を行う。自身の月200時間超の過重労働経験と「痛みへの鈍麻」の原体験から、「止まってもいい」というメッセージを発信し続けている。EAPの現場で復職支援に関わる中で、受け入れ側の疲弊という構造的問題に着目し、本稿の分析を行った。

本文書は一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断や治療に関する助言に代わるものではありません。症状が深刻な場合は、医療機関への受診をお勧めします。記載されたデータは各出典の公開時点のものであり、最新の情報については各機関の公式サイトをご確認ください。