歩くとタイムが落ちる?
意外と知られていない、歩きとゴールタイムの関係
意外と知られていない、歩きとゴールタイムの関係
よくある心配
「歩いたらタイムが落ちるんじゃないか?」
これは、リセット走法を試そうとする多くのランナーが持つ心配です。
結論から言うと、多くの市民ランナーにとって、ゴールタイムへの影響は思ったほど大きくありません。
計算してみる
フルマラソンの場合
条件:
- 15:5サイクル(15分走って5分歩く)
- 走るペース:7分30秒/km
- 歩くペース:12分/km
計算:
| 項目 | 時間 |
|---|---|
| 走行時間(75%) | 約4時間30分 |
| 歩行時間(25%) | 約1時間30分 |
| 合計 | 約6時間 |
走るペース7分30秒で計算すると、走行中に約36km進みます。残り6kmを歩くと、約6時間でゴールできます。
「歩かない」場合との比較
条件:
- 歩かずに走り続ける
- 平均ペース:7分30秒/km
計算:
- 42.195km × 7分30秒 = 約5時間16分
差:約44分
「44分も遅くなる!」と思うかもしれません。でも、ここには大きな落とし穴があります。
落とし穴:「走り続けられる」前提
現実は甘くない
「歩かずに7分30秒ペースで走り続ける」という前提は、多くの市民ランナーにとって現実的ではありません。
実際には:
- 後半にペースが落ちる
- 30km以降で「壁」にぶつかる
- 足が攣る、痛みが出る
- 最悪、リタイア
「潰れる」リスク
歩かずに走り続けると、後半に潰れるリスクが高まります。
| パターン | 前半ペース | 後半ペース | ゴールタイム |
|---|---|---|---|
| A: 歩かない(潰れる) | 7:00 | 10:00 | 約6時間 |
| B: 15:5で走る | 7:30+12:00 | 維持 | 約6時間 |
潰れてしまえば、結局同じようなタイムになります。しかも、潰れた場合は苦しい時間が長く、縁を味わう余裕もありません。
長距離になるほど、差は縮まる
100kmの場合
ウルトラマラソン(100km)では、この傾向がより顕著になります。
歩かずに100kmを走り続けることは、トップランナーでも難しい。多くの完走者は、どこかで歩きを入れています。
リセット走法で計画的に歩きを入れた方が:
- 身体へのダメージが少ない
- 後半も安定したペースで進める
- 縁を味わう余裕がある
「歩かない」ことで得られる時間差
100kmを例にとると:
| 戦略 | 完走タイム | 身体の状態 |
|---|---|---|
| 歩かずに行ける限り走る | 14〜16時間(潰れると18時間以上) | ボロボロ |
| 15:5で計画的に進む | 14〜15時間 | 比較的元気 |
「歩かない」ことで節約できる時間より、「潰れる」ことで失う時間の方が大きいことが多いのです。
プロとアマチュアの違い
トップランナーには別のアプローチがある
サブ3(フルマラソン3時間以内)を狙うような走力の高いランナーには、リセット走法は向いていないかもしれません。
彼らは:
- 十分なトレーニングを積んでいる
- ペース配分を熟知している
- 「歩かずに走り続ける」ことができる
市民ランナーの現実
一方、多くの市民ランナーにとって:
- 「歩かずに走り続ける」のは難しい
- 後半に潰れるリスクがある
- 「完走」が最優先の目標
リセット走法は「記録より完走・楽しさを重視する市民ランナー」向けです。
タイムより大切なもの
リセット・メソッドの価値観
リセット・メソッドが大切にしているのは、タイムや距離ではありません。
- 縁に気づく
- 物語を紡ぐ
- 余裕を持って完走する
歩きの時間は、「回復」であると同時に「楽しみ」と「記録」の時間です。
5分の歩きでできること
- 写真を複数枚撮る
- ボイスメモを録る
- 景色をじっくり眺める
- 給水・補給をしっかり行う
- 隣のランナーと会話を交わす
- 応援してくれる人にお礼を言う
これらは、走り続けていたらできないことです。
「いい時間だった」と思えるか
ゴールしたとき、どう思いたいですか?
- 「〇時間〇分で走れた」(タイム)
- 「あの景色が素晴らしかった」「あの人との会話が嬉しかった」(縁)
どちらも大切ですが、リセット・メソッドは後者を重視しています。
実際に試してみて
練習で試す
まずは練習で15:5を試してみてください。
- 思ったよりタイムが落ちない
- 後半も余裕がある
- 縁に気づく時間ができる
この体験が、「歩いても大丈夫」という確信につながります。
大会で試す
練習で自信がついたら、大会でも試してみてください。
制限時間に余裕のある大会を選べば、安心して実践できます。
| カテゴリ | 推奨制限時間 |
|---|---|
| ハーフ | 3時間30分以上 |
| フル | 7時間以上 |
| 100km | 14時間以上 |
まとめ
「歩くとタイムが落ちる」という心配は、理解できます。
でも、多くの市民ランナーにとって:
- ゴールタイムへの影響は思ったほど大きくない
- 「潰れる」リスクを考えると、歩いた方が有利なことも多い
- タイムより大切なものがある
まずは練習で試してみて、自分の身体で確かめてください。
「歩かない」ことで得られる時間より、「歩く」ことで得られる縁の方が、価値があるかもしれません。