なぜ15分+5分のサイクルなのか
リセット走法の核となる時間配分の根拠
リセット走法の核となる時間配分の根拠
結論
15分走って5分歩く。この「15:5」のサイクルには、いくつかの根拠があります。
- 15分は集中を保てる適切な長さ
- 5分で十分な回復が得られる
- 75%の走行比率が「無理なく続けられる」限界に近い
- シンプルで覚えやすい
ただし、これは「最適解」ではなく「一つの目安」です。自分に合ったサイクルを見つけることが大切です。
15分という長さ
集中の限界
人間の集中力には限界があります。
仕事でも、90分を超えると集中力が落ちると言われています。ランニングでも同様で、一定時間を超えると疲労が蓄積し始めます。
15分は、多くの市民ランナーにとって「集中を保てる」かつ「適度に疲労がたまる」長さです。
体感時間
走っているとき、15分は「ちょうどいい」と感じる長さです。
- 10分だと「もう少し走れる」と感じる
- 20分だと「そろそろ歩きたい」と感じる
- 15分は「いい具合に疲れてきた」という感覚
これは個人差がありますが、多くの人がこの感覚を共有しています。
距離の目安
15分走ると、ペースによりますが約1.5〜2.5km進みます。
| ペース | 15分で進む距離 |
|---|---|
| 8:00/km | 約1.9km |
| 7:30/km | 約2.0km |
| 7:00/km | 約2.1km |
| 6:30/km | 約2.3km |
この距離感が、景色の変化を楽しむのにも適しています。短すぎず、長すぎず。
5分という長さ
回復時間として
5分あれば、心拍数は落ち着き、筋肉への酸素供給が回復します。
- 心拍数:ゾーン4-5から、ゾーン2-3へ
- 呼吸:荒い呼吸から、穏やかな呼吸へ
- 筋肉:乳酸の処理が進む
完全な回復ではありませんが、「また走り出せる」程度の回復は得られます。
あなたの時間として
5分あれば、「縁」を記録する余裕があります。
- 写真を複数枚撮る
- ボイスメモを録る
- 景色をじっくり眺める
- 給水・補給をしっかり行う
- 隣のランナーと会話を交わす
- ストレッチをする
- 応援してくれる人にお礼を言う
5分は「回復」だけでなく「楽しみ」の時間でもあります。
短すぎないか?
「5分で足りるの?」という疑問はあると思います。
確かに、5分では完全な回復は得られません。でも、リセット走法の目的は「完全に回復してから走る」ではなく「回復しながら進む」ことです。
「もう少し休みたい」と感じたら、歩きの時間を延ばしても構いません。6原則の「身体の声を最優先に」を思い出してください。
75%の走行比率
計算
20分のサイクルで15分走行 = 75%の走行比率
この比率は、「無理なく続けられる」限界に近いと考えています。
比較
| 比率 | サイクル | 特徴 |
|---|---|---|
| 90% | 9:1 | 速い、負担大 |
| 80% | 12:3 | やや速い |
| 75% | 15:5 | バランス型 |
| 67% | 10:5 | ゆったり |
| 50% | 10:10 | 歩き中心 |
75%より高い比率(80%、90%)だと、回復時間が短く、疲労が蓄積しやすくなります。
75%より低い比率だと、ペースが落ち、制限時間のある大会では厳しくなることがあります。
なぜ75%が「ちょうどいい」のか
- 身体への負担が抑えられる:歩きの時間で回復できる
- ペースが維持できる:走行時間が長すぎないので疲労が溜まりにくい
- 味わう余裕がある:5分の歩きで縁を記録できる
- 制限時間に対応できる:多くの大会の制限時間に収まる
シンプルさの価値
覚えやすい
「15分走って5分歩く」は、誰でも覚えられます。
複雑なルール(「最初の5kmは10分走って3分歩き、次の10kmは…」)は、実践中に混乱します。
シンプルだからこそ、「考えなくていい」。考える時間は、すべて「縁」と「体の声」に向けられます。
統一できる
練習でも、旅ランでも、大会でも、アラームは「15分・5分」の繰り返しだけ。
体にリズムを染み込ませることで、「次はどうしよう?」と考える必要がなくなります。
スマートウォッチの設定が楽
インターバルタイマーで「15分・5分」を繰り返し設定するだけ。複雑な設定は不要です。
他のサイクルとの比較
10:5(67%走行)
特徴:よりゆったり、回復時間が相対的に長い
向いている人:
- 初心者
- 長い距離に挑戦する人
- ゆっくり味わいたい人
デメリット:
- 平均ペースが落ちる
- 制限時間が厳しい大会では難しい
12:3(80%走行)
特徴:やや速い、回復時間が短い
向いている人:
- 制限時間が気になる人
- ある程度走力がある人
デメリット:
- 回復時間が短い
- 縁に気づく時間が減る
9:1(90%走行)
特徴:速い、ほぼ走り続ける
向いている人:
- タイムを意識したい人
- 走力が高い人
デメリット:
- 身体への負担が大きい
- リセット・メソッドの趣旨から外れる
調整の考え方
自分に合ったサイクルを見つける
15:5は「出発点」です。
何度か試してみて、「もう少し走りたい」と感じたら走行時間を延ばす。「もっと休みたい」と感じたら歩行時間を延ばす。
大切なのは、自分の身体の声を聴くことです。
状況に応じて調整する
- 登り坂:歩きを増やす
- 下り坂:走りを増やす(でも下りの走りは脚への負担が大きいので注意)
- 暑い日:歩きを増やす、給水を増やす
- 寒い日:歩きを減らす(身体が冷えるのを防ぐ)
- 疲れている日:無理をしない
まとめ
15:5のサイクルは、「最適解」ではなく「バランスの良い出発点」です。
- 15分は集中を保てる長さ
- 5分は回復と味わいに十分な長さ
- 75%は無理なく続けられる比率
- シンプルで覚えやすい
まずは15:5で試してみて、自分に合ったサイクルを見つけてください。
大切なのは、ルールを守ることではなく、身体の声を聴くことです。