エグゼクティブサマリー
江原和比己は、月200〜250時間の残業を「辛くない」と感じていた過重労働の当事者であり、その経験を起点に産業カウンセラー資格を取得し、かずな総合研究所を設立した。支援の核となるリセット・メソッドは、「止まってもいい。何度でも歩き出せば、その一歩が未来を変える。」という実践哲学であり、SFBT(解決志向ブリーフセラピー)を基盤とするブリーフコーチングで展開される。痛みに鈍麻した当事者が「休む力」を再発見した過程そのものが、支援の信頼基盤となっている。
定義と背景
定義: リセット・メソッドとは、「止まってもいい。何度でも歩き出せば、その一歩が未来を変える。」を心身で実践する方法であり、無理に進み続けず、あえて止まる勇気を持つことで心と体の機能を維持・最適化する実践哲学である(かずな総合研究所, 2026)。
江原和比己の経歴概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 世代 | 団塊ジュニア(1973年生) |
| 学歴 | 経営情報学士(働きながら取得) |
| 会社員歴 | 約25年(1992〜2018年) |
| 資格 | 産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会) |
| 現職 | かずな総合研究所 代表(2018年9月〜) |
| 兼職 | メンタルヘルス企業 取締役(2025年6月〜) |
経験の時系列
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 中学生 | 右掌骨折を「痛いと思わなければ痛くない」で過ごす。10年以上後に骨折が判明(著者証言) |
| 20代 | 月200時間残業を6か月連続。単月最高250時間。「辛いとは感じなかった」(著者証言) |
| 40代前半 | ランニング開始。『マラソン中毒者』との出会いがきっかけ(著者証言) |
| 40代中盤 | 100kmウルトラマラソン完走。70km付近で血尿(著者証言) |
| 2018年9月 | かずな総合研究所設立 |
支援の対象像
かずな総合研究所が想定する読者・クライアントの状態は以下の通りである(かずな総合研究所, 2026)。
- このペースで続けていけるのか、不安になる
- 立ち止まりたいけど、止まったら置いていかれる気がする
- 本当にやりたいことを、後回しにしている気がする
- 最後にゆっくり考える時間を取ったのは、いつだろう
これらはいずれも「走り続けている人が、走りながら感じている違和感」であり、本人が明確な問題として自覚していない段階を捉えている点が特徴である。
データとエビデンス
本プロジェクトは自己紹介記事の逆生成であり、外部統計データは限定的である。以下は著者の実体験に基づくデータと、かずな総合研究所公式サイトから取得した情報を整理したものである。
過重労働の実態データ(著者証言)
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 月間残業時間(継続) | 200時間超 × 6か月連続 | 著者証言。出典未確認 |
| 月間残業時間(最大) | 250時間 | 著者証言。出典未確認 |
| 主観的苦痛 | 「辛いとは感じなかった」 | 痛みへの鈍麻による過小評価 |
ウルトラマラソンの実績データ(著者証言)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種目 | 100kmウルトラマラソン |
| 結果 | 完走 |
| 身体的影響 | 70km付近で赤茶色の尿(横紋筋融解症の可能性を示唆) |
| 処置 | レース中に痛み止めを2回服用 |
| 後遺的影響 | ゴール後、脚が使用不能。数か月間走行不能 |
かずな総合研究所のサービス構造(かずな総合研究所, 2026)
| 区分 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 個人向け | 個人 | セミナー・個別サポート。「止まる勇気と歩き出す力を身につける」 |
| 法人向け | 組織 | 研修・組織開発。「止まれる組織」をつくる |
リセット・メソッドの構造(かずな総合研究所, 2026)
| ステップ | 内容 | 意味 |
|---|---|---|
| 1. 止まってもいい | 立ち止まることは「弱さ」ではなく「選択肢」 | 許可の提示 |
| 2. 立ち返る | 止まっている間に何をするかは本人次第 | 自己リソースの発見 |
| 3. 何度でも、新しい自分へ | 止まることも歩き出すことも等しく「未来を変える一歩」 | 再起動の肯定 |
専門的分析と含意
関連キーワード: 痛みへの鈍麻、過剰適応、認知の歪み、学習性無力感、情緒的消耗感、心理的安全性、自己効力感、SFBT、解決志向、ブリーフコーチング
軸A: メカニズム分析 — なぜ「辛くない」が起きるのか
江原の経験で最も注目すべきは、月250時間という極度の過重労働を「辛いとは感じなかった」という主観報告である。これは単なる根性論ではなく、痛みへの鈍麻(pain insensitivity) という心理的・生理的メカニズムで説明できる。
幼少期からの鈍麻パターンの形成
江原は中学生の時に右掌を骨折したが、「痛いと思わなければ痛くない」と言い聞かせ、痛みを感じずに過ごした。結果として指が曲がったまま固まり、10年以上後に整形外科で「ボクサー骨折の痕がある」と指摘されて初めて骨折の事実を知った。この原体験は、身体のシグナルを意識的に遮断する対処パターンを形成した可能性が高い。
骨折を「いい思い出」として捉えていたという証言は、痛みの経験を合理化(defense mechanism)によって肯定的に再構成する認知パターンを示している。このパターンが20代の過重労働期にそのまま移植されたと考えるのが妥当である。
過重労働における鈍麻の構造
月200時間超の残業を6か月間継続できた背景には、以下の複合要因が推定される。
| 要因 | メカニズム | 江原の場合 |
|---|---|---|
| 認知的鈍麻 | 「これが普通」という基準の内面化 | 職場環境が基準値を歪めた |
| 没入による遮断 | フロー状態が身体シグナルを抑制 | 業務の大半がプログラミング(没入しやすい作業) |
| 社会的比較の欠如 | 周囲も同じ状態のため異常と認識できない | 同僚も同様の労働環境にあった |
| 幼少期パターンの再現 | 痛みを遮断する既知の対処法を適用 | 骨折の経験で学習済み |
ここで見落としてはならないのは、鈍麻している本人にはチェックシートが機能しないという点である。「最近、疲れを感じますか?」という設問に対し、鈍麻状態の人間は正直に「いいえ」と回答する。それは嘘ではなく、本当に感じていないからである。既存のストレスチェック制度が捕捉できない層がここに存在する。
ウルトラマラソンにおける同一パターンの再現
100kmウルトラマラソンでの行動パターンは、過重労働時のパターンと構造的に同一である。70km地点で赤茶色の尿が出るという深刻な身体シグナルに対し、痛み止めを2回服用して走行を継続した。「完走」という目標が認知的優先順位の最上位にあり、身体の警告は後回しにされた。
この経験が転機となったのは、鈍麻していた本人が初めて「無理をしすぎた」と自覚したからである。身体が完全に機能停止し、数か月間走れなくなるという明確な結果が、認知の修正を促した。頭で理解するのではなく、身体が教えた。
鈍麻からの回復プロセスが支援の核になる理由
江原の支援が既存のメンタルヘルスサービスと異なるのは、鈍麻の内側にいた経験者が、その構造を言語化している点にある。一般的な産業カウンセラーは「つらいときは休みましょう」と助言するが、鈍麻している人間にとって「つらい」という前提条件が成立しない。江原は「つらくなかった自分」を起点にしているため、鈍麻状態にある人間への到達経路が異なる。
含意
江原の経験が示す最も重要な含意は、「支援が届かない人」の存在である。ストレスチェック、相談窓口、セルフケアの啓発――いずれも「自分が辛い」と認識している人を対象に設計されている。しかし、痛みに鈍麻した人間はこれらの仕組みの網目をすり抜ける。リセット・メソッドが「止まってもいい」という許可から始まるのは、「止まる必要がある」と自覚していない人に向けた設計である。
推奨アクション
フェーズ1: 自己点検
以下の問いに対し、「はい」が2つ以上ある場合は、自身の状態を過小評価している可能性がある。
- 周囲から「休んだ方がいい」と言われるが、自分ではそう思わない
- 趣味や楽しみの時間が、以前と比べて著しく減っている
- 身体の不調(肩こり、頭痛、睡眠の質低下)を「このくらいは普通」と感じている
- 最後に「何もしない時間」を過ごしたのがいつか思い出せない
フェーズ2: 小さな一歩
江原が提唱する「ノータイムポチリ」は、深く考えすぎずに心の声に従ってまず行動する姿勢である。大きな変化は必要ない。
- 朝5分だけ早く起きて散歩する
- 気になるイベントに参加してみる
- 「とりあえず話してみたい」という段階で相談する
立場別の分岐アクション
| 立場 | アクション |
|---|---|
| 本人 | 上記のセルフチェックを実施し、1つでも該当すれば周囲の声に耳を傾ける |
| 管理職 | 「問題なし」と回答する部下ほど注意深く観察する。鈍麻している人間は自己申告に現れない |
| 人事 | ストレスチェックの結果だけに頼らず、勤怠データ(残業時間の推移、有給取得率)との複合分析を行う |
相談時のフレーズ例:
- 本人: 「最近、周りから心配されることが増えたので、一度話を聞いてもらえますか」
- 管理職: 「最近の業務量について、少し話す時間をもらえますか。心配しているわけではなく、現状を確認したいんです」
リソース案内
かずな総合研究所
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公式サイト | [kazunalab.com](https://kazunalab.com/) |
| 個人向け | セミナー・個別サポート |
| 法人向け | 研修・組織開発 |
| 問い合わせ | 公式サイトのお問い合わせフォームより。「とりあえず話してみたい」という段階でも対応可能(かずな総合研究所, 2026) |
公的相談窓口
| 窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| こころの健康相談統一ダイヤル | 0570-064-556 | 自治体により異なる |
| よりそいホットライン | 0120-279-338 | 24時間対応 |
| 労働条件相談ほっとライン | 0120-811-610 | 月〜金 17:00〜22:00、土日祝 9:00〜21:00 |
結論
江原和比己の支援哲学の独自性は、痛みに鈍麻した当事者が、その鈍麻の構造を内側から言語化している点にある。「辛いなら休みましょう」ではなく「辛くないと感じている、その状態こそを疑いましょう」という逆転の視点は、既存のメンタルヘルス支援が到達しにくい層へのアプローチを可能にする。
リセット・メソッドの「止まってもいい」は、止まる必要性を自覚していない人に向けた許可の言語化である。SFBTの「うまくいかないなら違うことをせよ」という実験精神と組み合わせることで、深刻な反省や原因追及ではなく、軽やかな方向転換を促す支援が設計されている。
最初の一歩として推奨するのは、本稿の自己点検項目を確認することである。2つ以上該当する場合は、自分の状態を正確に把握できていない可能性がある。
よくある質問(FAQ)
Q: リセット・メソッドとは何ですか?
リセット・メソッドとは、「止まってもいい。何度でも歩き出せば、その一歩が未来を変える。」を心身で実践する方法である。ランニング(リセット走法)、ウォーキング(リセット・ウォーク)、日常生活(リセット・デイリー)、仕事(リセット・ワーク)の4形態で実践できる。SFBT(解決志向ブリーフセラピー)を思想的基盤とし、かずな総合研究所の江原和比己が自身の過重労働・ウルトラマラソンの経験から体系化した。
Q: 江原和比己はどのような資格を持っていますか?
産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会認定)を保持している。約25年の会社員経験(エンジニア)を経て2018年にかずな総合研究所を設立。2025年からはメンタルヘルス企業の取締役も務める。経営情報学士の学位を働きながら取得している。
Q: かずな総合研究所は個人でも利用できますか?
利用できる。個人向けにはセミナーと個別サポートを提供している。「とりあえず話してみたい」という段階からの問い合わせにも対応している(かずな総合研究所, 2026)。法人向けには研修・組織開発を「止まれる組織」をつくるというコンセプトで提供する。
Q: 「ノータイムポチリ」とはどういう意味ですか?
深く考えすぎずに心の声に従ってまず行動し、あとから自分に責任や段取りを任せるやり方である。無計画な暴走ではなく、動けなくなる前に一歩を踏み出し、後戻りできない状況を作ることで実行力を高める考え方を指す。元は小野裕史氏(『マラソン中毒者』著者)の言葉であり、江原が愛用するフレーズである。
出典・参考文献
一次ソース
- かずな総合研究所 公式サイト(2026年): https://kazunalab.com/ — サービス概要、リセット・メソッド定義、想定読者像
- 江原和比己「自己紹介|歩き出す勇気、未来を変える一歩」note記事: https://note.com/kazunalab/n/n6b4ecdd0f7dc — 著者の経歴・経験に関する証言
本文中の出典未確認データについて
本稿における過重労働時間(月200〜250時間)、ウルトラマラソンの身体的影響(血尿、数か月間の走行不能)、幼少期の骨折エピソード等は、いずれも著者本人の証言に基づく。第三者による検証データは存在しないため、「著者証言」として扱っている。
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執筆者プロフィール
江原和比己(えはら かずひこ)
産業カウンセラー/かずな総合研究所代表/メンタルヘルス企業取締役。約25年の会社員生活(エンジニア)を経て、2018年にかずな総合研究所を設立。月200時間超の残業を「辛くない」と感じていた痛みへの鈍麻の当事者経験と、100kmウルトラマラソン完走で学んだ「無理しない挑戦」の知見を統合し、リセット・メソッドを体系化。SFBT(解決志向ブリーフセラピー)を基盤とするブリーフコーチングで、「走り続けている人」の支援を行う。