Briefing Note

2026年10月のカスハラ義務化。対応を強化する前に、一度立ち止まって見てみたいこと。

2026年10月1日施行のカスハラ防止措置義務化を、産業カウンセラーの視点から30年スパンの法改正史・50名未満事業所の構造的制約・接点設計の見直しという3軸で解説するブリーフィングノート。

本稿の位置づけ: 本ブリーフィングは産業カウンセラーが、公的機関の公表資料・実態調査・法律事務所の公開解説を整理し、50名未満事業所の経営者・管理職向けに編集したものです。法令の紹介・行政指針の整理・専門解説の要約は出典明示のうえで行っていますが、個別事案の法的該当性の判断は弁護士・行政書士等の専門家の領域です。具体的な事案については、それぞれの専門家にご相談ください。

エグゼクティブサマリー

2026年10月1日、改正労働施策総合推進法等により、全事業主にカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)防止措置が義務付けられる。企業規模による猶予・免除は一切設けられておらず、50名未満の小規模事業所も大企業と同じ基準で義務化対象となる(厚生労働省, 2025/政府広報オンライン, 2025)。本義務化を「単発の新ルール」として捉え、相談窓口・マニュアル・研修の整備に資源を集中させる対応は、50名未満事業所においては構造的に機能不全を起こしやすい。なぜなら、99人以下事業所のカスハラ相談割合13.5%(1,000人以上事業所43.9%との比較)は発生頻度の低さではなく、相談窓口の不在による組織的機能不全の表れだからである(厚生労働省, 2024)。本稿は、過去30年(1997年セクハラ→2000年メンタル指針→2014年ストレスチェック→2019年パワハラ→2026年カスハラ)の上乗せ立法史を踏まえ、接点見直し優先パスウェイ——通説の「事後対応強化」に並走する形で、カスハラが発生する顧客接点そのものを経営判断として再設計する道筋——を提示する独自の分析である。


定義と現状認識

定義: 職場におけるカスタマーハラスメントとは、(1)職場において行われる、顧客・取引の相手方・施設の利用者その他事業主の事業に関係を有する者の言動であって、(2)業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超え、(3)労働者の就業環境を害するもの、の3要件をすべて満たすものをいう(政府広報オンライン, 2025)。

具体的シーン

カスハラに該当しうる典型的事象として、以下が挙げられる(厚生労働省, 2022)。

  • 自社に明確な過失がない事案に対する、長時間(30分超)の苦情・謝罪要求
  • 同一の用件で3回以上繰り返される問い合わせ・抗議
  • 土下座・自宅謝罪訪問・念書要求など、社会通念上不相当な手段による謝罪強要
  • 取引先発注担当者による、契約に基づかない過剰な仕様変更要求・短納期強要・代金減額要求(B to B カスハラ)
  • スタッフの名札情報をもとにしたSNSでの個人特定・付きまとい

セルフチェック:自社の現状把握

経営者・管理職向けの5項目チェックリスト。3項目以上該当する場合は、義務化施行までに優先的に整備が必要な領域である。

  • カスハラの基本方針(毅然と対応し労働者を保護する旨)を文書化し、従業員に周知している
  • カスハラの判断基準(要求内容の妥当性・手段の相当性)を社内で共有している
  • 相談窓口(カスハラ専用でなくパワハラ等の既存窓口と兼用可)を設置し、周知している
  • 悪質カスハラへの対処方針(対応打ち切り基準・警察通報基準等)を事前策定している
  • 自社従業員が取引先に対して加害側にならないための注意喚起・研修を実施している

データとエビデンス

法制度の最新状況

項目 内容 出典
改正法名 労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号) (厚生労働省, 2025)
公布日 2025年6月11日 (厚生労働省, 2025)
施行日 2026年10月1日 (厚生労働省, 2025)
防止指針公布日 2026年2月26日(厚生労働省告示第51号) (厚生労働省, 2026)
施行通達・Q&A発出日 2026年4月24日 (厚生労働省, 2026)
適用範囲 全事業主一斉適用(企業規模による猶予・免除なし) (厚生労働省, 2025)
違反時の措置 厚生労働大臣(労働局)による助言・指導・勧告、勧告に従わない場合は企業名公表 (厚生労働省, 2025)

着目点: パワハラ防止法(2019年改正)では中小企業に2年間の猶予期間が設けられたが、今回のカスハラ義務化には規模別猶予が一切ない。50名未満事業所も2026年10月1日から大企業と同じ基準で適用を受ける。

事業主の措置義務(4本柱)

# 措置内容 出典
1 方針の明確化と労働者への周知・啓発 (政府広報オンライン, 2025)
2 カスハラの内容と対処方針の労働者への周知 (政府広報オンライン, 2025)
3 相談窓口の設置と周知(パワハラ等の既存窓口と兼用可) (政府広報オンライン, 2025/厚生労働省, 2022)
4 悪質カスハラへの対処方針の事前策定 (政府広報オンライン, 2025)

事後対応として、「事実関係の迅速確認」「被害者配慮措置」「再発防止」「相談者プライバシー保護・不利益取扱い禁止」の周知も義務とされる(政府広報オンライン, 2025)。

並行する義務化(ストレスチェック完全義務化)

2025年5月の労働安全衛生法改正により、50名未満事業場のストレスチェック完全義務化(特例猶予廃止)が2028年4月1日に施行される。50名未満事業所は、2026年10月のカスハラ義務化と2028年4月のストレスチェック完全義務化という二重の準備期間を負うことになる(厚生労働省 東京労働局, 2015/nblm_deep_research, 2026)。

30年スパンの上乗せ立法史

法改正 内容 出典
1997年 男女雇用機会均等法改正 セクハラ防止配慮義務の明文化(日本初の事業主ハラスメント配慮義務) (厚生労働省, 2025)
2000年 労働安全衛生法に基づく指針 メンタルヘルス指針策定 (厚生労働省, 2025)
2014年 労働安全衛生法改正 ストレスチェック制度創設(2015年12月、常時50人以上事業場で完全義務化) (厚生労働省 東京労働局, 2015)
2019年 労働施策総合推進法改正 パワハラ防止措置義務化(大企業2020年・中小企業2022年) (厚生労働省, 2025)
2025年 労働施策総合推進法等改正 カスハラ防止措置義務化(2026年10月、全事業主一斉) (厚生労働省, 2025)

パワハラ6類型(並行告示)

2026年10月1日適用の新告示として、パワハラ6類型も並行で改めて整理されている(厚生労働省, 2026)。カスハラの定義整理と表裏一体で運用される。

# 類型
1 身体的な攻撃 暴行・傷害
2 精神的な攻撃 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3 人間関係からの切り離し 隔離・仲間外し・無視
4 過大な要求 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制
5 過小な要求 能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる
6 個の侵害 私的なことに過度に立ち入る

カスハラ実態:業種別・規模別データ

業種別カスハラ相談割合(過去3年、企業対象)

業種 相談割合
医療・福祉 53.9%
宿泊業・飲食サービス業 46.4%
不動産業・物品賃貸業 43.4%
生活関連サービス業・娯楽業 42.3%
複合サービス事業 41.1%
金融業・保険業 41.0%
卸売業・小売業 40.6%

(厚生労働省, 2024)

ハラスメント種類別の企業相談割合(過去3年)

ハラスメント種類 相談割合 増減傾向
パワハラ 64.2% 件数減少傾向
セクハラ 39.5% 件数減少傾向
顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ) 27.9% 件数増加傾向(23.2% > 減少11.4%)
妊娠・出産・育児休業等ハラスメント 10.2%
介護休業等ハラスメント 3.9%
就活等セクハラ 0.7%

(厚生労働省, 2024)

着目点: カスハラのみ、企業の認識として「件数が増加している」(23.2%)が「件数は減少している」(11.4%)を上回る唯一のハラスメント類型である。義務化と現場の体感増加が同時に進行している。

規模別の取組実施率(顧客等からの著しい迷惑行為)

企業規模 取組実施率 未実施率
全体(n=7,780) 64.5% 35.5%
99人以下(n=2,066) 57.5% 42.5%
100〜299人(n=1,300) 62.9% 37.1%
300〜999人(n=3,263) 67.8% 32.2%
1,000人以上(n=1,146) 69.8% 30.2%

(厚生労働省, 2024)

規模別の取組実施率(パワハラ・セクハラ)

ハラスメント種類 全体 99人以下 1,000人以上
パワハラ予防・解決取組 95.2% 88.4% 98.3%
セクハラ予防・解決取組 92.7% 82.5% 97.9%

(厚生労働省, 2024)

規模別の相談あり企業割合(カスハラ)

企業規模 相談あり
1,000人以上 43.9%
99人以下 13.5%

(厚生労働省, 2024)

着目点: 99人以下事業所の相談割合13.5%は「中小企業でカスハラが少ない」ことを意味しない。第4章で構造分析する。

労働者調査:被害頻度と心身への影響

指標 数値 出典
過去3年間にパワハラを受けた労働者 19.3% (厚生労働省, 2024)
過去3年間にカスハラを受けた労働者 10.8% (厚生労働省, 2024)
過去3年間にセクハラを受けた労働者 6.3% (厚生労働省, 2024)
カスハラを受けた業種「生活関連サービス業・娯楽業」 16.6% (厚生労働省, 2024)
カスハラを受けた業種「卸売業・小売業」 16.0% (厚生労働省, 2024)
カスハラを受けた業種「宿泊業・飲食サービス業」 16.0% (厚生労働省, 2024)
カスハラを受けた者の心身への影響「怒り・不満・不安」 67.6% (厚生労働省, 2022)
カスハラを受けた者の心身への影響「仕事への意欲減退」 46.2% (厚生労働省, 2022)
「何度も繰り返し経験」した労働者「眠れなくなった」 21.2% (厚生労働省, 2022)
「何度も繰り返し経験」した労働者「通院・服薬」 8.8% (厚生労働省, 2022)

2025年最新調査(エス・ピー・ネットワーク)

指標 2023年 2025年 増減
個人顧客からカスハラを受けた経験率 68.3% 72.1% +3.9pt
法人顧客(取引先)からカスハラを受けた経験率 49.2% 51.3% +2.0pt

(エス・ピー・ネットワーク, 2025、n=1,030/クレーム対応経験ある会社員対象)

指標 数値
カスハラが企業にもたらす影響「従業員のメンタル低下・モチベーション低下」 50.9%
カスハラが企業にもたらす影響「対応の手間に伴う本来の仕事への圧迫」 28.8%
同僚や上司が取引先等にカスハラを行うのを直近1年で見聞き 16.1%
法律・条例によるカスハラ対策義務化を「知らない」 30.3%
マニュアル「何もない」 49.8%
マニュアル「カスハラ対策の定めなし」 14.5%
マニュアル未策定合計 64.3%
研修「実施していない」 49.8%
サービス業マニュアル未策定 52.6%
サービス業研修未実施 49.1%

取組課題の認識ギャップ

区分 最も高い課題 割合
カスハラ取組実施企業 ハラスメントかどうかの判断が難しい 59.6%
カスハラ取組未実施企業 特にない 42.7%

(厚生労働省, 2024)

会社の課題(2025年) 割合 前回比
トップ経営陣の意識改革 33.7%
カスハラ対策基本方針の策定 26.9% +6.8pt
カスハラの定義の策定 26.9% +7.0pt

(エス・ピー・ネットワーク, 2025)

カスハラ発生の上流要因(スーパーマーケット業界調査)

カスハラ発展原因 割合
顧客対応・サービス等の遅延 71.2%
対応者の説明・コミュニケーション不足 63.6%

(政府広報オンライン, 2025、出典: 厚生労働省2024年スーパーマーケット業界調査)

着目点: カスハラ発展の上位2要因は、対応・サービス提供側の構造的不備である。事後の窓口整備だけでなく、接点設計の見直しが予防に直結することを示唆する。

B to B カスハラの法的論点

※ 以下の法的論点の整理は、牛島総合法律事務所等の法律事務所が公開している解説および公正取引委員会・東京都の公表資料を要約したものです。本稿は産業カウンセラーによる一般的な情報整理であり、個別事案の該当性判断は弁護士・行政書士等の専門家にご相談ください。

法的根拠 内容 出典
安全配慮義務(労働契約法5条) 自社従業員からの損害賠償請求の根拠 (牛島総合法律事務所, 2025)
使用者責任(民法715条) 加害従業員所属企業への損害賠償請求の根拠 (牛島総合法律事務所, 2025)
業務妨害等 被害者所属企業からの損害賠償請求の根拠(1,100万円請求事例あり) (牛島総合法律事務所, 2025)
優越的地位の濫用(独占禁止法2条9項5号) 排除措置命令・課徴金・刑事罰の対象 (牛島総合法律事務所, 2025)
下請法第4条第1項・第2項 受領拒否・代金減額・返品・報復措置等の禁止 (牛島総合法律事務所, 2025)
東京都カスタマー・ハラスメント防止条例(条例第140号) 全国初の条例。2024年10月4日成立、10月11日公布、2025年4月1日施行。第9条第3項で自社就業者の加害防止を事業者責務に明記 (牛島総合法律事務所, 2025)

B to B カスハラ:公正取引委員会の勧告事例(令和5年3月17日)

違反内容 総額 対象下請事業者数
下請代金減額の禁止違反(センターフィー差引) 7,484,506円 58名
返品の禁止違反(品質検査なしで瑕疵主張) 3,053,210円 49名
不当な経済上の利益の提供要請の禁止違反 3,130,160円 46名

(nblm_deep_research, 2026、出典: 公正取引委員会キャメル珈琲事例)


分析と含意(Analysis & Implications)

専門キーワード: 安全配慮義務、使用者責任、優越的地位の濫用、組織的機能不全、対症療法の上乗せ、痛みへの鈍麻、過剰謝罪、感情労働、現場判断の集中、加害者化リスク、接点設計、予防的アプローチ

本章では、第3章のデータを産業カウンセラーとしての視点で解釈する。「カスハラ義務化」を単発の新ルールではなく、30年積み上がってきた事業主への措置義務の最新の一枚として位置付け、特に50名未満事業所が直面する構造的非対称性と、通説の「事後対応強化」では捕捉できない予防領域を提示する。

軸A:メカニズム分析——なぜ「対応強化」だけでは止まらないのか

通説のすべてが「起きた後」の対応である構造

厚生労働省カスタマーハラスメント対策企業マニュアルが示す基本フレームは、(1)基本方針・基本姿勢の明確化と従業員への周知・啓発、(2)従業員のための相談対応体制の整備、(3)対応方法・手順の策定、(4)社内対応ルールの教育・研修、(5)事実関係の正確な確認と事案対応、(6)従業員への配慮の措置、(7)再発防止のための取組、の7項目である(厚生労働省, 2022)。並行で語られる解説記事のメニュー(AI通話録音、感情検知、外部相談窓口アウトソーシング、契約改定)も含めて、これらはほぼすべてカスハラが起きた後の受け止めを強化する設計になっている。

ここで、上流のデータを見直す。スーパーマーケット業界調査によれば、カスハラ発展原因の上位は「顧客対応・サービス等の遅延」71.2%、「対応者の説明・コミュニケーション不足」63.6%である(政府広報オンライン, 2025)。つまり、カスハラの相当部分は、対応・サービス提供側の構造的不備が起点になっている。事後の窓口整備をいくら強化しても、上流(接点)に放置された不備が温存される限り、カスハラの発生頻度は下がらない構造である。

名前付きフレームワーク:接点見直し優先パスウェイ

接点見直し優先パスウェイ: 通説の「事後対応強化」(窓口・マニュアル・研修・対応打ち切りルール)に並走する形で、カスハラ発生の上流にある顧客接点(電話対応時間・修正回数・予約方法・料金体系・名札表記など)を経営判断として一つだけ選んで再設計する道筋。50名未満事業所が、限られた経営資源で義務化対応と予防の両方に取り組むための入り方である。

このフレームワークは、医療・福祉53.9%、宿泊業・飲食サービス業46.4%といった顧客接点の多い業種で特に効果が大きい。接点で何を許容し、何を許容しないかを経営として事前に決めておくことが、現場従業員の心理的負担を軽減すると同時に、対応打ち切りや謝罪制限を「個人の判断」ではなく「組織方針の実行」として実行可能にする。

「現場判断の集中」という負荷構造

カスハラ対応で最も従業員の心身を消耗させるのは、現場で「これに対応すべきか」「ここまで謝罪すべきか」「いつ打ち切るべきか」を一人で判断させる構造である。厚生労働省マニュアルは、相談窓口は「パワハラ等を扱う既存窓口や社内ヘルプラインで対応可、カスハラ専用窓口は必須でない」とした上で、小規模店舗・営業時間によっては引き継ぐ管理者不在のケースもあり、現場従業員のみでも適切な対応ができる教育が必要と明記している(厚生労働省, 2022)。

ここで重要なのは、「現場で適切に判断できる教育」と、「現場に判断を持たせないワンフレーズ運用」は別物だという点である。後者は、自社側への事実確認を行うまでは「事実関係を確認した上で、後ほど改めてご連絡いたします」のワンフレーズで現場に判断を持たせない設計を指す(nblm_deep_research, 2026)。50名未満事業所では、現場の判断量を増やすほど従業員の心身負荷が積み上がるため、組織として「現場に判断を残さない」設計のほうが構造的に機能しやすい。

心身被害の累積メカニズム

カスハラを受けた従業員の心身への影響として、「怒り・不満・不安」67.6%、「仕事への意欲減退」46.2%が高い。さらに「何度も繰り返し経験」した労働者では「眠れなくなった」21.2%、「通院・服薬」8.8%に達する(厚生労働省, 2022)。

産業カウンセラーとしてクライアントと向き合う中で見えてくるのは、カスハラによる心身被害は単発の暴言・恫喝で発生するのではなく、「30分以上の電話を週に何度も」「同じ用件を3回以上繰り返される」「謝罪しても収まらない」といった反復・長時間化の中で蓄積する点である。約25年の組織経験を通じて見えてきたのは、人は単発の強い刺激より、慢性的・反復的な低強度ストレッサーのほうが鈍化に気づきにくく、限界が見えにくいということである。だからこそ「30分・3回ルール」(後述)のような時間・回数の機械的線引きが、現場の心身を守るうえで本質的に重要になる。

軸B:制度・環境分析——30年スパンで見える「対症療法の上乗せ」

1997年から2026年への構造線

1997年男女雇用機会均等法改正でセクハラ防止配慮義務が日本初の事業主ハラスメント配慮義務として明文化されて以来、2000年メンタルヘルス指針、2014年ストレスチェック制度、2019年パワハラ防止法、そして2026年カスハラ義務化と、約30年にわたって事業主への措置義務が上乗せされてきた(厚生労働省, 2025)。

これは個別の社会問題への対症療法の積み重ねであり、構造として責められるべきものではない。ただし、50名未満事業所の経営者・管理職が「うちの管理が甘いから追い込まれている」と感じる必要はないことを、データとして確認しておく価値がある。30年の上乗せの結果として、一人または数人で複数の事業主措置義務を同時に背負う構造ができている、というのが現状である。

規模別猶予なき一斉適用の意味

過去のパワハラ防止法では中小企業に2年間の猶予期間が設けられたが、今回のカスハラ義務化には規模別猶予が一切ない(厚生労働省, 2025)。さらに2028年4月1日には50名未満事業場のストレスチェック完全義務化が控える(厚生労働省 東京労働局, 2015)。50名未満事業所は、約1年半の間に2つの義務化を順次受ける構造になっている。

この時系列を意識せずに「カスハラ義務化対応」だけに資源を集中させると、2028年4月のストレスチェック完全義務化の準備が手薄になる。逆に言えば、両者を統合的に設計する視点(例: カスハラ相談窓口とストレスチェック実施後の高ストレス者面談窓口の運用統合)が、限られた経営資源の中で意味を持つ。

B to B カスハラの三層責任構造

牛島総合法律事務所の公開解説によれば、B to B カスハラについて、企業は3つの法的責任ラインを同時に負うと整理されている(牛島総合法律事務所, 2025)。以下は同解説の要約であり、個別事案の該当性判断は弁護士の領域であることを前提として読まれたい。

第一に、自社従業員に対する安全配慮義務(労働契約法5条)。取引先からのカスハラで従業員が抑うつ状態になった場合、当該従業員所属の企業が取引先に対して1,100万円の損害賠償を提起したケースが同解説で紹介されている。第二に、自社従業員が加害者となった場合の使用者責任(民法715条)。第三に、優越的地位の濫用(独占禁止法2条9項5号)・下請法違反(下請法第4条第1項・第2項)の行政罰・刑事罰の論点が並ぶ、とされている。

公正取引委員会が公表しているキャメル珈琲事例(令和5年3月17日勧告)では、下請代金減額7,484,506円・58名、返品3,053,210円・49名、不当な経済上の利益提供要請3,130,160円・46名が指摘されたと公表されている(nblm_deep_research, 2026)。これは「悪質な大企業」だけの話ではなく、契約条件を曖昧にしたまま発注を重ねる中小企業にも十分起こりうる構造である、と公開解説では指摘されている。

改正労働施策総合推進法でも、事業主は社員がカスハラの加害者にならないよう、労働者の言動に必要な注意をはらい、研修等の必要な配慮をするよう努めなければならないとされている(エス・ピー・ネットワーク, 2025)。受け手の保護だけでなく加害防止の責務も負う、という枠組みである。

東京都では全国初の条例として「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」(東京都条例第140号)が2025年4月1日に施行され、第9条第3項で自社就業者がカスハラを行わないよう必要な措置を講じることを事業者の責務として明記している(牛島総合法律事務所, 2025)。地域条例の動きと国法義務化が並行している。

軸C:影響分析——50名未満事業所の構造的非対称性

「相談ゼロ」を組織的機能不全として読む

99人以下事業所のカスハラ相談割合13.5%(1,000人以上事業所43.9%との比較)は、中小企業でカスハラ発生が少ないことを意味しない(厚生労働省, 2024)。業種別に見れば、医療・福祉53.9%、宿泊業・飲食サービス業46.4%という数字が出ており(厚生労働省, 2024)、これは規模に関係なく業種特性として高い。99人以下で「件数ゼロ」と計上されているのは、起きていないからではなく、組織として相談を受け止める仕組みが立ち上がっていないだけ、という見方ができる(nblm_deep_research, 2026)。

産業カウンセラーとしてクライアントと向き合う中で見えてくるのは、相談窓口がない、もしくはあっても社長・店主に直接届く構造になっている50名未満事業所では、現場従業員が「これくらいで相談したら迷惑」「経営者がただでさえ忙しいのに」と判断して泣き寝入りするケースが多いということである。これは個人の遠慮の問題ではなく、組織として相談チャネルが設計されていないことの帰結である。

50名未満事業所の4つの構造的制約

50名未満事業所がカスハラ対応で直面する制約は、おおむね以下の4類型に整理できる(nblm_deep_research, 2026)。

  1. 専門人材の枯渇: 産業医選任義務がなく、メンタルヘルスやハラスメントの医学的・法的初期判断を下せる専門スタッフが社内に不在になりがちである
  2. プライバシー確保の限界: 従業員同士の距離が近く、相談窓口の物理的・心理的プライバシー確保が難しい
  3. 事務処理能力の圧迫: 管理職が本来業務と管理実務を兼務しており、相談窓口運営や対応マニュアル整備に割ける時間が限られる
  4. 資金力の制約: 大規模システム投資(AI通話録音、感情検知等)や独自研修プログラム開発・購入の予算が限定的である

通説の「6ステップ/4措置」テンプレ(経営トップ宣言・自社基準策定・相談窓口アウトソーシング・B to B契約改定・ストレスチェック連動・加害者化防止研修)は、これらの制約を前提に設計されていない。50名未満事業所がそのまま適用しようとすると、どれか1つに着手するだけで疲弊が起きる構造になっている。

規模間の取組実施率ギャップ

カスハラに限らず、99人以下事業所のハラスメント取組実施率は一貫して低い。パワハラ予防取組88.4%(1,000人以上98.3%)、セクハラ予防取組82.5%(1,000人以上97.9%)、カスハラ予防取組57.5%(1,000人以上69.8%)(厚生労働省, 2024)。

これも「中小企業の意識が低い」と読むより、「規模ごとの構造的負荷の差」と読むほうが実態に即している。1,000人以上の大企業は人事部・相談窓口担当・産業医・外部EAPサービスというふうに責任と業務を分散できるが、99人以下事業所はこれらを社長・役員・管理職が兼務している。同じ「義務化対応」という言葉が指す現実の重さが、規模によって大きく異なる。

国の指針も、厚生労働省のマニュアルも、この重さの違いには十分には言及していない。だから解説記事を読んで「うちの規模では無理だ」と感じてしまう構造ができている。

カスハラ取組課題の認識ギャップ

カスハラ取組実施企業の最多課題は「ハラスメントかどうかの判断が難しい」59.6%、取組未実施企業の最多回答は「特にない」42.7%である(厚生労働省, 2024)。

この差は重要である。取組を始めると課題が見え、未実施のままだと課題が見えない。50名未満事業所の42.5%(カスハラ未実施)が「特にない」と回答する構造は、義務化施行までに「まず動く」ことで課題認識を立ち上げるプロセスそのものが重要であることを示している。

通説対策の限界と代替アプローチ

マニュアル未策定率64.3%の意味

エス・ピー・ネットワーク2025年調査では、カスハラ対応まで含んだマニュアル未策定率は合計64.3%(マニュアル「何もない」49.8%+「カスハラ対策の定めなし」14.5%)、研修未実施率49.8%である(エス・ピー・ネットワーク, 2025)。サービス業に絞ってもマニュアル未策定52.6%、研修未実施49.1%と、依然として約半数が未着手である。

ここで重要なのは、この未策定率の高さを「企業の怠慢」と読まないことである。会社の課題として「カスハラ対策基本方針の策定」が前回比+6.8pt、「カスハラの定義の策定」が前回比+7.0ptと上昇しており(エス・ピー・ネットワーク, 2025)、関心は高まっているが行動に移せていない、という構造である。これは、テンプレ的なマニュアル整備の前に、自社の接点で何が起きているかを言語化するステップが欠けていることを示唆する。

接点見直しの具体例

通説の事後対応強化と並走する形で実装可能な接点見直しの例として、以下が挙げられる(nblm_deep_research, 2026/政府広報オンライン, 2025)。

接点 見直し例 効果
対応時間 関東経済産業局の「30分・3回ルール」(初期謝罪と対案提示後、30分超または同一用件3回超で対応打ち切り明言) 現場従業員の長時間拘束の機械的回避
謝罪 自社に過失がない事案への謝罪制限(不必要な謝罪一切禁止、初期事実部分のみ謝罪) エスカレーション原因の遮断
退店・退去要請の言語化 「他のお客様にご迷惑」ではなく「当店の運営方針として、大声を上げる行為、威嚇的な言動は一切お断りしております」 揚げ足取りの回避、経営意志の明示
現場対応のワンフレーズ統一 「事実関係を確認した上で、後ほど改めてご連絡いたします」 現場に判断を持たせない設計
名札表記 漢字氏名表記からイニシャル表記への変更(SNS検索による個人特定・付きまとい防止) 接点での個人情報露出の制限

これらはすべて、起きた後の対応の話というより、「接点で何を許容し、何を許容しないか」を経営として事前に決めておく話である。

公的・助成金リソースの活用

50名未満事業所が限られた経営資源の中で活用可能な公的リソースとして、以下が挙げられる(nblm_deep_research, 2026)。

  • 地域産業保健センター(地産保)の産業医サービス(50名未満事業場が無料利用可)
  • 商工会議所・業界団体の外部リソース
  • 団体経由産業保健活動推進助成金
  • 厚生労働省カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(業種別版: スーパーマーケット業編、宅配業編 等)
  • 安価なクラウド型AI通話録音などのIT補助ツール

産業医選任義務がない事業所でも、地域産業保健センターを活用することで、ストレスチェック後の高ストレス者面談やカスハラ被害従業員のメンタル相談など、専門的サポートを受けられる経路がある。

治療と仕事の両立支援との接続

労働者健康安全機構の山梨産業保健総合支援センターは、カスハラ対策義務化とあわせて治療と仕事の両立支援の重要性を指摘している(労働者健康安全機構 山梨産業保健総合支援センター, 2026)。カスハラ被害により通院・服薬に至った従業員(前述8.8%)が継続就業できるかどうかは、義務化対応の事後フローに「両立支援」の視点を組み込めるかにかかっている。


推奨アクション

フェーズ1(初期対応・2026年10月施行前)

法的最低ラインの整備(4本柱)

  1. 方針の明確化と労働者への周知・啓発(社内掲示・全従業員配布)
  2. カスハラの内容と対処方針の周知(判断基準: 要求内容の妥当性/手段の相当性)
  3. 相談窓口の設置と周知(パワハラ等既存窓口と兼用可)
  4. 悪質カスハラへの対処方針の事前策定(対応打ち切り基準・警察通報基準等)

接点見直し優先パスウェイの起動

通説の事後対応強化と並走する形で、以下3段階で接点見直しを起動する。

  1. 接点の洗い出し: 直近1ヶ月で、お客様とのやりとりの中で「無理が出ている」と感じた場面を一つだけ書き出す
  2. 暗黙のルールの言語化: その接点について、現状の運用を一文で言語化する(例: 「電話のクレームは、社長が出るまで応対を続ける」)
  3. 経営判断: その運用を維持するか変えるかを、経営として一度判断する

フェーズ2(相談・運用整備・2026年下半期)

立場別の分岐アクション

立場 アクション
経営者 「断固たるノー」宣言の文書化/自社基準(30分・3回ルール、謝罪制限)策定/契約条項へのハラスメント防止条項挿入
管理職 現場対応のワンフレーズ統一の徹底/カスハラ事案発生時の事実関係確認手順の整備/被害従業員のメンタル変調の早期発見
人事担当者 相談窓口の運用フロー策定/地域産業保健センターとの連携経路確保/治療と仕事の両立支援フローの整備

相談時のフレーズ例

  • 例(現場従業員→管理職): 「先ほど30分以上、同じ用件で電話がありました。組織方針に従って、事実確認後の折り返しでお引き取りいただきました。記録を残しておきます」
  • 例(管理職→経営者): 「○○の接点で、現場の負荷が継続的に上がっています。組織方針として線引きを文書化することを検討させてください」
  • 例(経営者→取引先): 「弊社の運営方針として、従業員に対する大声・威嚇的言動はお断りしております。今後のお取引については、別途、契約条項の見直しをお願いいたします」

フェーズ3(並行義務化への準備・2027〜2028年)

2028年4月1日施行の50名未満事業場ストレスチェック完全義務化に向けて、カスハラ相談窓口と高ストレス者面談窓口の運用統合を計画する。地域産業保健センター・産業保健活動推進助成金の早期申請を検討する。


リソース案内

公的相談窓口(労働者向け)

窓口 連絡先 受付時間
働く人の「こころの耳電話相談」(厚生労働省) 0120-565-455 平日17:00〜22:00、土日10:00〜16:00
よりそいホットライン 0120-279-338 24時間対応

公的相談窓口(事業者向け)

  • 都道府県労働局(カスハラ防止指針に関する助言・指導の窓口)
  • 地域産業保健センター(50名未満事業場の産業保健サービス、無料)
  • 各都道府県の中小企業労務支援窓口

必要書類・ツール

  • 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(業種別版あり)
  • 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」(リーフレット・告示・通達・Q&A)
  • 政府広報オンライン「カスハラとは?法改正により義務化されるカスハラ対策の内容」
  • カスハラ対応記録用フォーマット(日時・対応者・内容・対応時間・打ち切り判断の記録)

結論

2026年10月1日施行のカスハラ義務化は、企業規模による猶予がなく、50名未満事業所も大企業と同じ基準で適用を受ける。一方で、99人以下事業所のカスハラ取組実施率57.5%(1,000人以上69.8%)、相談割合13.5%(1,000人以上43.9%)というデータが示すのは、規模ごとの構造的負荷の差である。

通説の「事後対応強化」(窓口・マニュアル・研修)は法的最低ラインとして必要であるが、それだけでカスハラ発生頻度を下げることはできない。カスハラ発展原因の上位「顧客対応・サービス等の遅延」71.2%、「対応者の説明・コミュニケーション不足」63.6%が示すように、上流の接点に放置された不備が温存される限り、事後の窓口整備は受け止めの強化にとどまる。

提言として、50名未満事業所には「接点見直し優先パスウェイ」——通説の事後対応強化と並走する形で、自社の顧客接点を一つだけ選んで経営判断として再設計する道筋——を推奨する。最初の一手として、直近1ヶ月で無理が出ている接点を一つだけ書き出し、現状の暗黙ルールを一文で言語化し、維持か変更かを経営として判断する。これが、限られた経営資源の中で義務化対応と予防の両方を成立させる入り方である。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年10月のカスハラ義務化は、50名未満の事業所も対象ですか?

対象である。改正労働施策総合推進法では、過去のパワハラ防止法と異なり、企業規模による猶予期間や免除が一切設けられておらず、2026年10月1日から全事業主に一斉適用される(厚生労働省, 2025)。

Q2. カスハラ専用の相談窓口を新設する必要がありますか?

新設は必須ではない。厚生労働省カスタマーハラスメント対策企業マニュアルは、相談窓口について「パワーハラスメント等を取り扱うハラスメント相談窓口や社内ヘルプライン等で対応できるようにする」と明記している(厚生労働省, 2022)。既存窓口の運用範囲を広げる形でも要件を満たす。

Q3. 中小企業のカスハラ相談割合13.5%は、本当に発生が少ないことを意味しますか?

意味しない。接点見直し優先パスウェイの前提として、99人以下事業所の13.5%は「相談窓口・担当者が社内に不在で泣き寝入りが起きている組織的機能不全の表れ」と読むのが現実に即している(nblm_deep_research, 2026)。業種別では医療・福祉53.9%、宿泊業・飲食サービス業46.4%と高く(厚生労働省, 2024)、規模ではなく業種特性が発生率を規定している。

Q4. B to B カスハラ(取引先からの理不尽な要求)も、カスハラ義務化の対象に含まれますか?

含まれる。改正労働施策総合推進法上のカスハラ定義は「顧客、取引の相手方、施設の利用者その他事業主の事業に関係を有する者の言動」と定められており、取引先(法人顧客)も明示的に対象である(政府広報オンライン, 2025)。エス・ピー・ネットワーク2025年調査でも、法人顧客からのカスハラ経験率は51.3%と高い(エス・ピー・ネットワーク, 2025)。なお、B to B カスハラには下請法・独占禁止法上の優越的地位の濫用の論点も並行で適用されうる(牛島総合法律事務所, 2025)。

Q5. 接点見直し優先パスウェイは、具体的に何から始めればよいですか?

3段階で始める。第一に、直近1ヶ月でお客様とのやりとりの中で「無理が出ている」と感じた接点を一つだけ書き出す。第二に、その接点について現状の暗黙のルール(例: 「電話のクレームは、社長が出るまで応対を続ける」)を一文で言語化する。第三に、その運用を維持するか変えるかを経営として一度判断する。具体的な変更内容(時間制限、回数制限、料金体系の見直し等)は、それぞれの事業の文脈の中でしか出せない答えである。

Q6. カスハラ義務化に違反した場合、どのような罰則がありますか?

厚生労働省の公表資料によれば、罰金等の直接罰則ではなく、厚生労働大臣(労働局)による助言・指導・勧告の対象となり、勧告に従わない場合は企業名が公表される、とされている(厚生労働省, 2025)。直接の刑罰ではないが、企業名公表は社会的信用への影響が小さくない。なお、B to B カスハラについては、牛島総合法律事務所の解説によれば下請法・独占禁止法違反として刑事罰・行政罰の対象となりうる、とされている(牛島総合法律事務所, 2025)。個別事案の該当性判断は弁護士の領域である。


出典・参考文献

公的機関資料

  1. 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」(リーフレット・告示・通達・Q&A) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
  2. 厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001541299.pdf
  3. 厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書 概要版」 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001541298.pdf
  4. 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」 https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/000894063.pdf
  5. 政府広報オンライン「カスハラとは?法改正により義務化されるカスハラ対策の内容」 https://www.gov-online.go.jp/article/202510/entry-9370.html
  6. 労働者健康安全機構 山梨産業保健総合支援センター「カスタマーハラスメント対策が義務化され、治療と仕事の両立支援」 https://www.yamanashis.johas.go.jp/7295
  7. 厚生労働省 東京労働局「ストレスチェック制度について」 https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_mental_0003.html
  8. 公正取引委員会「キャメル珈琲事例(下請代金支払遅延等防止法に基づく勧告)」(令和5年3月17日勧告)
  9. 東京都「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」(東京都条例第140号、2024年10月4日成立、2025年4月1日施行)

法律・条例

  1. 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号、2025年6月11日公布、2026年10月1日施行)
  2. 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号、2026年2月26日公布)
  3. 労働契約法第5条(安全配慮義務)
  4. 民法第715条(使用者責任)
  5. 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)第2条第9項第5号(優越的地位の濫用)
  6. 下請代金支払遅延等防止法(下請法)第4条第1項・第2項

実態調査・専門解説

  1. エス・ピー・ネットワーク「カスタマーハラスメント実態調査 2025年」(n=1,030) https://info.sp-network.co.jp/news/kasuhara-survey2025
  2. 牛島総合法律事務所「取引先からのカスハラ(B to Bカスハラ)に関する留意点」 https://www.ushijima-law.gr.jp/topics/20250225customerharassment/
  3. 厚生労働省「2024年スーパーマーケット業界カスハラ実態調査」(政府広報オンライン経由参照)

関連コンテンツ・著者情報

関連記事

関連ブリーフィング

関連ページ

執筆者プロフィール

江原和比己(えはら かずひこ)

産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会認定)。日本ブリーフサイコセラピー学会 正会員。かずな総合研究所 代表。約25年の会社員生活(エンジニア)を経て独立。20代に月200時間超の残業を経験し、自身が「痛みに鈍麻していた」当事者でもある。その経験をもとに、SFBT(解決志向ブリーフセラピー)を基盤としたブリーフコーチングにより、働く人が潰れる前に立ち止まれるよう支援している。50名未満の事業所の経営者・管理職・人事担当者からの相談を多く受けている。

本文書は一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断や治療に関する助言に代わるものではありません。症状が深刻な場合は、医療機関への受診をお勧めします。記載されたデータは各出典の公開時点のものであり、最新の情報については各機関の公式サイトをご確認ください。