セルフケア・休み方

何もしないと落ち着かないときの休み方

予定のない時間に、何かしなければと焦ってしまうときは、気になる用事があるのか、時間を無駄に感じるのかで、休み始める前にできることが違います。用事の扱いを決める方法、成果を求めない時間の試し方、じっとしているのが苦痛な場合の過ごし方と、医療機関に相談する目安をまとめました。

江原 和比己(産業カウンセラー/かずな総合研究所代表)

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この記事の要点

  • 気になる用事があるなら、今対応する必要があるかを確かめ、後に回せるものは取りかかる時刻を決める
  • 時間を無駄にしていると感じるなら、お茶を飲み終えるまでなど、成果を求めない短い時間から試す
  • じっとしているのが苦痛なら、音楽や散歩など、過ごしやすい方法に変えてみる
  • 気分の落ち込みや楽しめない状態が続くときは、休み方だけで解決しようとせず、医療機関に相談する

やっと用事が片付いて座ったのに、何かしなければと落ち着かなくなる。そんなときは、いきなり一日中のんびりしようとせず、短い時間から休み方を試してみてください。

まず、具体的な用事が気になっているのか、用事はなくても時間を無駄にしている気がするのかを確かめます。どちらかによって、休み始める前にできることが違います。

やり残した用事が気になるなら、いつ取りかかるかを決める

仕事の返信や家の用事が頭に浮かぶなら、気になるものを書き出して、今対応する必要があるかを確かめてみてください。期限が迫っている用事と、いつか片付けたい用事を、いったん分けます。

後に回せる用事は、取りかかる時刻をメモします。たとえば、明日の勤務時間に返信する、夕食の後に洗濯物を畳む、と決めておく形です。家族の手助けが必要なら、誰に何を頼むかも合わせて考えます。

今すぐ対応が必要なことがある場合は、その対応や人への依頼を先にします。ただ、休む前に家事も仕事も全部終わらせることを条件にせず、今は待てるものを残したまま一区切りつけてみてください。

休暇を申し出ることへの気まずさは、ガイド記事「有給休暇を罪悪感なく使うには」にまとめています。

時間を無駄に感じるなら、成果を求めない短い時間をつくる

急ぐ用事はないのに、勉強や片付けをしないともったいない。そう感じるなら、休み時間にも何かを達成しようとしていないか、振り返ってみてください。

たとえば、お茶を飲み終えるまで、窓の外を眺めて過ごす。好きな曲を聴いている間は、ほかの作業をしない。そのくらいの区切りで試せます。これは休息に必要な長さの基準ではなく、始めやすくするための例です。

その間に何かしたくなっても、すぐ用事を増やさず、お茶を飲み終えるまで、あるいは曲が終わるまで待ってみます。焦りが残っていても、その短い間だけは作業をせずに過ごしてみてください。

終わった後に、時間を有効に使えたかを評価する必要はありません。その過ごし方は苦痛だったか、もう少し続けたかったか。次に何を選ぶかの手がかりとして、ご自身の感触を確かめます。

じっとしているのが苦痛なら、過ごし方を変える

座って何もしないでいるほど落ち着かなくなるなら、そのまま我慢し続けず、過ごし方を変えてみてください。音楽を聴く、近所をゆっくり歩くなど、今の体調で負担なくできそうなことを選びます。疲れて動きたくない日は、横になって過ごす方法もあります。

厚生労働省の「こころの耳」は、自分に合ったリラクセーション、つまり心身の緊張を緩める方法を身につけることを勧めています。運動についても、ストレス解消のためには楽しむ気持ちが大切だと説明しています。

散歩を選んだなら、距離や歩数の目標を決めずに出かける。音楽なら、詳しくなろうとせず、聴きたい曲を聴く。休むために選んだことに、新しい課題を足さないようにしてみてください。合わなければ途中で切り上げても構いません。

同じように見える休み時間でも、ご自身の感じ方に合わせて次のように選べます。

成果を求めずに過ごす

じっとしているほうが楽

座る・横になるなど、そのまま過ごす。

じっとしているのが苦痛

音楽・散歩など、過ごし方を変えてみる。

休日全体の過ごし方を見直したい場合は、ガイド記事「休日に休んだ気がしないとき——過ごし方で回復の実感は変わる」に、回復に関する研究をまとめています。

気分の落ち込みや楽しめない状態が続くときは、医療機関に相談する

一日中気分が落ち込む、何をしても楽しめない状態が続くときは、休み方の工夫だけで抱え込まず、医療機関やかかりつけの医師に相談してください。

国立精神・神経医療研究センターは、こうした気分の変化に加え、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった症状があり、日常生活に大きな支障が出ている場合は、うつ病の可能性があると説明しています。自己判断をせず、早めに専門家に相談することを勧めています。

相談の際は、いつから落ち着かなくなったか、睡眠や食事に変化があるか、仕事や家事で何に困っているかを伝えてください。うまく休めるかどうかだけでなく、今の心身の状態を確かめるための相談になります。

※ 出典: 厚生労働省「こころの耳」eラーニングで学ぶ15分でわかるセルフケア、2026年9月19日閲覧。国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」うつ病、2026年8月6日閲覧。

※ 江原 和比己(えはらかずひこ)—— 産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会認定)/日本ブリーフサイコセラピー学会 正会員/かずな総合研究所 代表。IT領域で約25年のキャリアを経て産業カウンセラーに転身。100kmウルトラマラソン完走者。

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